うつオジサンは、この『僕が死ぬまでにしたいこと』というタイトルを見て、さらに本の帯に「幸福ってなんだ?」「誰か答えろ?」って書かれているのを見て、どうしても読んでみたくなり購入しました。
この本は、6つのお話からなる構成で261ページの本です。
うつオジサンは、すぐにその世界に引き込まれて一気に読んじゃいました。
『僕が死ぬまでにしたいこと(平岡陽明氏著)』…!
みじめな気持ちになる秘訣は、自分が幸福かどうか考える時間を持つことだ
バーナード・ショー 「僕が死ぬまでにしたいこと」から引用
この言葉から始まるこの本は、読む者をいきなり「僕が死ぬまでにしたいこと」のタイトルどおりの世界へと誘います。
読み進めていくと、
希望を抱かぬ者は、失望することもない
バーナード・ショー 「僕が死ぬまでにしたいこと」から引用
人生には二つの悲劇がある。一つは願いが叶わぬこと。もう一つはその願いが叶うことだ
バーナード・ショー 「僕が死ぬまでにしたいこと」から引用
これらは、主人公の“吉井”が『古今東西名言集1000』をピックアップする仕事の中で見つけた言葉です。
さらに、こんなものもあります。
若い時、人生はカネだと思った。いま歳を取って、それが真実だと知った。
オスカー・ワイルド 「僕が死ぬまでにしたいこと」から引用
若い時は、人生はカネだと思った。歳を取って、なにがなんだか分からなくなった
カンちゃん 本の中に登場する一人(吉井の大先輩・飲み友だち) 「僕が死ぬまでにしたいこと」から引用
引用を多用してしまいましたが、これらの引用がこの本に引き込まれていく要素の一つであることは間違いありません。
主人公の吉井は、40歳のフリーライター。
「喪失の世代(ロス・ジェネ)」の彼は、「本当の人生を起動したい」と思っている。
そんな彼の周りには、
・再び妻と暮らしたいと思っている73歳の大先輩。
・普通になりたいと思っている30歳のアスペルガーの美人。
・突然やくざライターに転身した40歳の同級生。
・仙人になりたいと思っている15歳の天才少年。
などなどが登場して、主人公である吉井の周りでさまざまなことが起こります。
ひやひやしながら、うつオジサンは一気に読んでしましました。
(続編なんて出ないかなあ?)
『僕が死ぬまでにしたいこと(平岡陽明氏著)』を読んで、うつオジサンが考えたこと…!
『僕が死ぬまでにしたいこと』を読んで、何か懐かしい気がしました。
それは、うつオジサンが40歳の時にも同じようなこと考えてたなあっていう懐かしさでしょうか。
40歳という年齢は、人生の折り返し地点。皆がそのようなことを思うのかもしれませんね。
うつオジサンの場合、40歳になって「不眠」になり、41歳になって「うつ病」になっちゃいましけどね。
それ以来、ずうっと「うつ病患者」で「うつ病歴18年目」に突入してしまいました。
うつオジサンからすれば、主人公の吉井くんは羨ましい限りに思えました。
だって、お金はなくても、恋もして、ライターとしての才能もあるのですから。
何にも増してたくさんの仲間がいるのですからね。
この本の作者である「平岡陽明」氏は、うつオジサンより15歳年下のようですが、慶大卒、出版社勤務を経て作家デビューとなったようですが、前途洋々、これからの作品にも期待したいと思います。
うつオジサンは、普段この手の小説は読まないのですが、平岡氏の作品はタイトルを見る限り、面白そうなものばかり。(これまでの作品を是非とも読んでみたい!)
また、今後も平岡氏の作品には、気を留めていこうと思った次第です。
この作品の中では、「エンディングノート」や「生前葬」なんて言葉も出てくるのですが、うつオジサンもそろそろ考えておいた方がいいのだろうか?
いやいや、うつオジサンはまだまだ、ぎりぎり50代。
還暦を過ぎたら「僕が死ぬまでにしたいこと」を考えることにしよう!
うつオジサンのことですから、登場人物のカンちゃんのように、「死ぬまでにしたい10のこと」なのに、15個も16個もなってしまうのでは?
…などと、このような意味でもうつオジサンの心はくすぐられたのでありました。
最後に、うつオジサンにも作者の平岡陽明氏の、主人公の吉井君ややくざライターの小野君のライターとしての素質の欠片でも、そしてカンちゃんのユーモアのセンス(天然?)の欠片でもあればよかったのになあと考えてしまいました。
まあ、そうじゃないから、うつオジサンがうつオジサンたる所以なのでありまする…!