うつオジサンが住んでいるマンションは、ペットと楽器は禁止です。
ペットはともかく、楽器禁止はとても気になります。
「気にし過ぎること」…!
アコスティックギターを弾くときには、周囲が気になります。
そればかりではなく、何をするにしても、うつオジサンは周囲が気になります。
気になるだけならば、それほど問題はありません。
問題なのは、周囲を気にし過ぎるってことです。
アコスティックギターを弾くときには、音をミュートしてくれるものをつけて弾いています。
音楽を聴くときには、イヤフォンをつけて聴いています。
部屋の中を歩くときには、すり足で歩きます。(体重100㎏の振動がしないように…)
必要がないときには、夜でも部屋の電灯をつけません。(食事以外かな?)
ごみを出すのは、誰にも会わないように、決まって真夜中です。
お隣に住んでいるご夫婦とは、1年4か月で赤ちゃんを抱いた奥さんと1回しか合っていません。(挨拶に行ったときを除く。)
これらの他にも、気にし過ぎていることは、まだまだたくさんあるでしょう。
うつオジサンは、この部屋に住んでいながら、その存在を隠そうとしているのです。
家族でさえ、この部屋の中には入ったことはありません。
引っ越ししたとき、引っ越し屋さんとガス屋さん、その他には誰も入っていません。
誰もこの部屋にはいれたくないのです。
うつオジサンは、やはり “病んで” いるのでしょう!
風を受けながら…!
うつオジサンは、喫煙者です。
タバコは、必ずベランダで吸っています。
うつオジサンは、ベランダでタバコを吸いながら、いつも周囲を眺めています。
流れていく雲、遠くの山々、道路を行き交う車、隣にある中央郵便局の駐車場争奪戦の様子、コンビニの裏でいちゃつく高校生、真夜中のコンビニの駐車場で騒ぐ若者達、マンションの真上を飛んでいく飛行機。
そんなものを眺めながら、うつオジサンはタバコを吸っています。
そんなものを眺めながら、うつオジサンは色々なことを思います。
いったい何を思っているんだろう?
いつからこんな人生になってしまったんだろう?
誰にも会わずにコソコソとして、部屋にいる気配さえ消して生きています。
人と会話するのも病院だけです。
こんな人生で良いはずはない!
この状況からどうやって抜け出せばいいんだろう?
思いっきりアコスティックギターを弾いて、たくさんの人たちを家に招いて、にぎやかに会話して、堂々と生きて…!
うつ病歴17年目とは言え、このような状況になったのは、会社を辞めてしまってからのこと。
「うつ病」「うつ病」「うつ病」のヤロウが悪い!
社交的でアクティブで、部屋の中にいるのが嫌で、いつも外に出掛けていた。
そんな日が戻ってくるのだろうか?
考えてみたって、どうにもなりません。
それならば、またベランダでタバコを吸おう!
冷たい風を受けながら…!