うつオジサンは、『禅』の本を10数冊持っていますが、実は『禅』について理解しているわけではないのです。
そこで、今日『禅』について学びながら書いていこうと思います。
うつ病からの回復期に『禅』に出会い、会社に復帰してからは再発しないようにするために、眠る前の1時間『禅』の本を読んでいました。
結果的には、うつ病の再発を防ぐことはできませんでした。
しかし、禅語に触れていると『心』が軽くなることも実感しました。
「自分」について…!
禅では、自分の中にもう一人の自分がいると考えられています。
そのもう一人が本当の自分なのです。
中国宋の時代の公案集「無門関」の中に次のようにあります。
瑞厳の彦和尚 自ら主人公と呼び また自ら応諾す
「動じない心をつくる禅の言葉」植西 聰 氏著 発行元 成美文庫
瑞厳寺の彦(げん)和尚という人は、自分の中のもう一人の自分に向かって問いかけていました。
いつも自問自答することで自分を見失くことなく、心も落ち着いて過ごせるのではないでしょうか。
「主人公」の語源は、実は禅語にあるのですね。
雲去って山嶺露わる
「動じない心をつくる禅の言葉」植西 聰 氏著 発行元 成美文庫
自分の中の清らかな心を「仏性」といいます。
しかし、私達は様々な雑念によりこの「仏性」が覆われている状態にあります。
雲(雑念)を払うと山嶺(仏性)が現れるのですね。
雑念を払って、清らかな心で過ごしていきたいものですね。
「人間」の苦しみ…!
お釈迦様(釈尊)は、すべての苦しみは無知(無明)から起こるとしました。
無知とは、間違った考え方をしたり、間違った望みを持つことです。
無知のため、「憎い」「欲しい」「うらやましい」といった感情が芽生えてしまうのですね。
そしてこれらの感情は、「苦しみ」を生んでしまいます。
よく「四苦八苦」するといいますが、「四苦八苦」とは、何を指すのでしょう。
釈尊は、生老病死(四苦)のほかに、さらに四つの苦しみをあげました。
「一秒禅」 高田 明和 氏著 発行元 成美文庫
・愛別離苦…愛する人と別れなくてはならない苦しみ
・怨憎会苦…嫌いな人といなくてはならない苦しみ
・求不得苦…望みがかなえられない苦しみ
・五蘊盛苦…心の病に苦しむ苦悩
これが「四苦八苦」なのですね。
どんなに裕福な人でも、またどんなに偉い人でも、この苦しみから逃れることはできません。
この苦しみは人間平等に訪れます。
…ということは、現在、苦しみの中にいる人は「自分だけが苦しんでいるのではない」と思うことができないでしょうか。
少し苦しみが和らぐ気がしませんか?
苦しまない生き方…!
人は、様々な苦しみを持ちながら生きています。
どうせ生きていくのなら、できるだけ苦しみを少なくして生きたいですよね。
平常心是道
『無門関』
これは、禅語の中でも有名な禅語です。
平常心は、私達が使っている「へいじょうしん」ではなく、「びょうじょうしん」と読み、意味も少し異なります。
禅では、「日常的な洗顔や掃除、食事、座禅などを普段の気持ちで一つ一つ丁寧に行う」ことを意味しています。
人は、何か考え事があったり、心配事があったりすると、ついつい集中して日常のことができなくなるものです。
しかし、食事をするときには食事することに集中する、座禅をするときには座禅に集中することが大切だという教えですね。
寒時は闍黎を寒殺し、熱時は闍黎を熱殺す
『碧巌録』
ある僧侶(闍黎)が禅師(禅の師匠)に「夏の暑さを避けるためにはどこに行けばいいか、冬の寒さをしのぐにはどうしたらいいか」と尋ねたことに対して、禅師が「夏はどこに行っても暑い、冬は何をしても寒い、現実を受け入れなさい」と答えました。
これは、「苦しみから逃れることはできない。ジタバタしたって苦しみは増す。逃げずに今の現状を受け入れなさい。そうすることが状況の改善にもつながる。」という教えです。
ほかにも『禅語』には、心を和らげてくれる言の葉がたくさんあります。
皆さんも『禅』に触れてみてはいかがでしょうか?