私は、眠れない夜を過ごし、明け方に眠りについた時に夢を見ます。
その夢の中には面白い物が多く、一人で味わうのが勿体ないと思っています。
そこで、このブログで紹介しています。
今回のタイトルは、「ステファノビッチ教授の恋」です。
冴えない大学教授
アメリカの某大学の歴史学のステファノビッチ教授。
冴えない40代の男性で、学生からからかわれるほどの不器用な教授です。
学生がよく見えるようにと黒板に強く大きく文字を書こうとしてチョークがよく折れます。折れたチョークを拾おうとして黒板消しが頭に落ちてきたり、机に頭をぶつけたり、一段高い講演段から転がり落ちたりする毎日。
しかし、優しさや思いやりは人一倍あって、人のことにはおせっかい過ぎるほど手伝いをするけれど自分のことには無頓着なステファノビッチ教授。
そんな教授が恋をした。
相手は、フランスのオルレアン出身で教え子でもある女子学生。名前はマリー。しかも、父親はステファノビッチ教授と同じ大学の同僚の教授。
(オルレアンは、1429年にジャンヌダルクによって解放されたことで有名な古都です。)
ステファノビッチ教授は、自分の気持ちが何なのか分かりません。不器用な教授ですからそれが恋だということにも気づいてさえいないのでしょう。
しかし、寝ても覚めても彼女のことが気に掛かり、気がつくと彼女のことばかり考えている。
そして教授は次第に気を病んでしまいます。
ステファノビッチ教授と大学の同僚の教授でもあるマリーの父親は、気を病んでしまったステファノビッチ教授の面倒をマリーに見るようにマリーに頼みました。まさか、気を病んだ原因が自分の娘への恋だとも知らずに…。
マリーも教授の気持ちを知らず、仕方なく教授の面倒を見ることを承諾します。
最初は気が引けていたマリーも、ステファノビッチ教授の優しさに気づき、どんどん進んで教授の面倒を見るようになっていきました。
そしてマリーは、どんどんステファノビッチ教授の正直さや不器用さが愛おしくなっていきました。マリーはマリーで、自分のその気持ちが恋だとは気づかずに、教授との距離がどんどん近づいていきました。
ある日、そんなマリーの気持ちに気づいたマリーの父親は当然反対して、教授の面倒を見ることを止めるように言いますが、マリーは教授の面倒を見ることを止めません。
マリーは「自分がステファノビッチ教授の面倒を見なければステファノビッチ教授は生活ができない、生きていけない」と思い込むまでになっていたのです。
教授は気を病むまで、食事は外食で済ませ、部屋の中は汚くしたまま、洗濯物は溜まり放題。
そんな生活を送って来たので、家政婦を雇ってもいつもすぐに辞めていました。
それを知ってから、マリーはますますステファノビッチ教授の面倒を一生懸命に見るようになりました。
ステファノビッチ教授もマリーも、互いに恋をしていることに気がついていないために、二人の距離は縮まるばかり。
恋の実り
教授は、マリーが作る料理の中で牛肉の煮込み料理が特に気に入っていました。
教授は、二人でワインを飲みながら語り合うことがとても大事な時間に感じるようになっていました。マリーも自分が作った料理を教授がおいしそうに食べるのを見るのがうれしくてたまりません。
マリーの父親は、ステファノビッチ教授も自分の娘もお互いに恋をしていることに気づいていないことを感じ取り、二人のことには口を出さないようになりました。
娘の献身的な看護もあって、教授の気の病は次第に快方に向かっていきました。
そして、あるクリスマスの夜、奇跡が起こりました。
その夜、その年初めての雪が降りました。
マリーが「教授、雪ですよ!」とうれしそうにはしゃぐ姿につられて、窓際にマリーと並んで雪が降るのをしばらく眺めていました。
その時です。お互いが話しかけようとしたとき、唇と唇が触れ合いました。
びっくりした二人は驚いて飛びのきました。
そしてお互いが再び目を合わせたとき、自然とキスを交わしていました その後、二人は結婚し、幸せに暮らしました。
羨ましいステファノビッチ教授
丁度二人がキスをしたときに目がさめちゃいました。
なので、二人が結婚したと言うのは創作です。でもきっと二人はそうなったのでしょう。
「うつ病歴20年目」で「一人暮らし」で「引きこもり」のオジサンにはステファノビッチ教授がとても羨ましく思いました。
私にもこんな日が訪れるのでしょうか?
「引きこもり」のオジサンなので、まあ無理なお話ですね。 う~ん、何とかせねば…!