「うつ病歴20年目」のオジサンの闘病日誌です!「うつ病」かなって思ったら…!「うつ病」になっちゃったら…!「うつオジサンの闘病日誌」を読んでみてください!何かのヒントになるかもよ!

「夢のお話」 第43話 ~いたんは(はんたい=反対)~

私は、眠れない夜を過ごし、明け方に眠りについた時に夢を見ます。
その夢の中には面白い物が多く、一人で味わうのが勿体ないと思っています。
そこで、このブログで紹介しています。

今回のタイトルは、「いたんは(はんたい=反対)」です。

私は、40歳過ぎの冴えない男です。

見た目も、雰囲気も、生活自体も冴えない男です。生まれてからずっと冴えないのです。

自分でも鏡を見るのが嫌になるくらいブサイクでおまけにデブ、それが陰に籠って雰囲気までも冴えなくて、それが生活自体にも表れているみたいです。仕事自体も3流会社の事務員で安月給ですからね。

ある夜、可愛いお姉ちゃんの呼び込みにあって、誘われるままにそのスナックに入りました。

普段の鬱憤を晴らすために、ぼったくられたっていいやって覚悟でそのお店に入りました。その日はそのくらい最悪な気分でした。

でも、やっぱりぼったくりは嫌かな?

しかし、怖いお兄さんが出てくるわけでもなくて、呼び込みをしていた可愛いお姉さんとずっと二人でお酒を飲んでカラオケを歌いました。お店には他に2、3組のお客さんがいたようです。

途中でトイレに行きたくなって席を立ちました。

トイレの便器の前に立って用を足していると、まだそれほど飲んでいないのにふらついてめまいがしました。壁に手を当ててふらつきを抑えていると妙な感覚に気づきました。壁の感覚がおかしかったのです。フワフワした感じでまるで柔らかいカーペットを触っているかのようです。ふらついたまま目を開けると、確かに真っ赤な柔らかいカーペットのような壁でした。

私はどうしたんだろう?と思い、トイレを出ると、先ほどのお姉ちゃんが真っ白で綺麗なドレス姿に変わっていて。お店の雰囲気も一変していました。

そこは高級クラブか会員制のクラブのようでした。(行ったことはないので想像ですが…。)

飲み屋のお姉ちゃんじゃなかった、クラブのお姉さまに連れられるまま席につきました。

するとまた新たなことに気づきました。先程まで着ていた安物のスーツではなくて高級のスーツに高級の靴、胸のポケットに重たさを感じてポケットを探ると、分厚い財布と名刺入れが入っていました。お姉さんたちが話しかけてくる声もそっちのけで、財布の中身と名刺入れを確かめました。

財布の中には数十万円は入っていそうでした。名刺入れには、生田弁護士事務所 弁護士 生田峻祐という名前が書いてありました。確かに私の名前です。

何がいったいどうしたというんだろう?

どうしたんだろうと考えても仕方がない。今晩はお金もたっぷりあるんだし、このクラブで思いっきり楽しんでやろうと思いました。

そしてすっかり飲み潰れてしまいました。

翌朝、目を覚ますと、見覚えのないベッドにカーテン。お姉さんの誰かの家にお泊りしてしまったのかとベッドルームを出ると、そこから見える景色はタワーマンションの高層階からのものでした。部屋の中には誰もいません。誰の家かと思い、玄関の入口の表札を見ると「生田」と書かれていました。まだ夢を見ているのかと思い顔を洗って冷たい水を飲んでみましたが夢ではないようです。

それに普段見ている床との距離が気になりました。いつもより床が随分下に見えるのです。身長が伸びたのかと思い部屋の中にあった姿見で自分を見てみると、40歳過ぎの男には変わりありませんでしたが、細身の高身長でブサイクとは言えない顔をしていました。

何もかも今までの自分と反対(いたんは)の容姿をしていました。

こんなタワーマンションに住んで、お金もあって、高身長の弁護士。

いや~あり得ない。あり得ない。しかし、そう思ってもそうなのですから仕方がありません。

時計を見ると9時を指していました。

私は急いで着替えると、名刺に書いてある住所までタクシーで急ぎました。

そこの住所も高層のビルで、名刺の通り32階を押して事務所につきました。

恐る恐る事務所のドアを開けると、弁護士事務所の職員が全員揃って「おはようございます。」と大きな声で挨拶をしました。美人の秘書らしき女性が「今日はお早いご出勤ですね。急ぎの案件がありましたでしょうか?」と聞かれたので「そういう訳ではないんだけど、今日のスケジュールを教えてもらえるかな?」と言葉遣いまで変わっていました。秘書が「今日は特にお急ぎのスケジュールは入っていません。」と言うと、私は「それなら今日はオフにしてもらえるかな?早く起きたせいか気分がすぐれないんだ。」と言って休みにしてもらいました。

「それからうちのパンフレットを5枚持って来てくれるかな?配りたいところがあってね。」と言うと、美人秘書は「相変わらず社長は商売がお上手ですね。」とのことらしい。

その秘書は、かなりの高身長の上にヒールを履いているので、175Cm以上はありそうでしたが、私はそれよりも10Cmほど高くて、以前の165cmから見える景色とは随分違っていました。

「今日はお車でお帰りでしょうか?昨日はタクシーでお帰りのようでしたので…。」と言われ、少しドキッとしましたが、「昨日は友人とちょっとね。今日は車で帰ろうかな。」と言い、「後は頼んだよ。お疲れ様!」と言い残して事務所を後にしました。

地下の駐車所に着くと、自分の車を探しました。

自分が乗るならきっとBMWかアウディだろうと思い、自分が好きそうな車を探しました。その車はすぐに見つかり、キーでドアの施錠を解除しました。

その車は、やはりBMWの7シリーズでした。こんな高級車を運転してあのマンションまで帰れるのか不安に思いましたが、まるで使い慣れているかのように運転ができました。

憧れだったBMWの7シリーズの運転は快適でした。気分も爽快です。

運転したことのない首都高も難なく通り過ぎ、自宅のタワーマンションに着きました。

タワーマンションの37階に着くと「生田」の表札が掲げてある家へ入りました。

今日は、この部屋の、そしてこの自分の何もかもを調べようと思っていました。弁護士事務所を休んだのも一刻も早くこの現状を確かめておきたかったからです。

部屋の中を調べても、高級なものがたくさんあるだけで、特に興味を持つようなものはありませんでした。

それならば、自分自身について調べてみようと思い、洋服を脱ぎ裸になり、姿見でよく自分を見てみました。今朝見た40歳過ぎの男であることは変わらない。しかし、細身の高身長でチョイ髭を生やした格好いいイマドキのモテそうなオジサンです。

昨日までのブサイクで、デブで、生気のない昔ながらのオジサンとは大違いです。

おまけにお金持ちの弁護士だって…。

昨日までとは何もかも反対ではないか!

細身の高身長でチョイ髭を生やした格好いいイマドキのオジサンの姿を鏡で見ながら、ふと不安がよぎりました。

この夢はいつまで続くのだろうかと…。

そして、この夢がいつまでも続くように願いました。

その願いは叶わず、目が覚めました。

せめてもう少し反対の世界を楽しんでみたかった!

でも「細身の高身長でチョイ髭を生やした格好いいイマドキのオジサン」にはそのオジサンなりに、「ブサイクでおまけにデブ、それが陰に籠って雰囲気までも冴えないオジサン」にはそのオジサンなりの苦悩や喜びがあるのではないでしょうか?

どちらがいいって?

それは言わずもがなですよね。

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