「うつ病歴20年目」のオジサンの闘病日誌です!「うつ病」かなって思ったら…!「うつ病」になっちゃったら…!「うつオジサンの闘病日誌」を読んでみてください!何かのヒントになるかもよ!

「夢のお話」 第4話 ~ 一本のネジと溶岩 ~

私は、眠れない夜を過ごし、明け方に眠りについたとき、面白い夢を見ることがあります。
その夢の中には、面白いものがたくさんあります。
それを私一人だけで味わうのは勿体ない気がしています。
そこで、このブログで紹介しています。

アフターコロナの世界…!

僕は、ある建設会社に勤務する平凡な事務員です。

新型コロナウイルスの脅威は、新たに発見されたワクチンにより終息しました。
しかし、ワクチンの争奪から始まった世界中の混乱は、戦争へと発展しました。
戦争は、終息したのですが、一部はテロの形となって残り、世界中ではいまだに爆破テロが続いています。

途上国の人たちが先進国に対してテロを行っているのです。
なぜなら、ワクチンを先進国が奪い合い、途上国には行き渡らなかったからです。
途上国ではワクチンが行き渡らずに多くの死者を出してしまいました。
僕が住んでいる日本だって例外ではなくて、先進国のすべての国がテロの対象になっているのです。

僕が働いている建設会社でも「テロ対策」として、週に2回、全員が交代で何らかの作業をすることになっていました。
僕が働いているのは、建設会社なので、建物や橋などを見回り爆弾がないかを確かめたり、処理をしたりしていました。
週末、掲示板に翌週のスケジュールが貼り出され、また、会社内のパソコンにメールでも送られてきます。
基本的には3人で一組です。その組み合わせは毎回違います。
僕はいつも火曜日と木曜日がその当番の日になっていました。

ある火曜日のこと、橋の下から爆弾が見つかりました。
それも今日、僕が担当になっている橋の下から発見されました。
爆弾が見つかったとしても、国や地方自治体は何もしてくれません。
もはや国や地方自治体は、弱体化していて、期待も信頼もできないのです。

警察や消防、自衛隊は手一杯な状態で、爆弾を見つけたら、自分たちで何とかするという暗黙のルールができていました。
「自分の命や財産は自分で守る。」ことが当たり前の世の中なのです。

さて、今日、一緒に爆弾処理に当たるのは、人事課長と設計課の係長でした。
僕は「ラッキーだあ!」と思っていました。
何故かというと、設計課の係長が爆弾を処理してくれるだろうという期待と、会社内のサークルで一緒にサッカーをしている人事課長が一緒だったからです。

いよいよ、爆弾の処理に当たることにしました。
人事課長は、周囲の警備と本社への連絡を担当して、僕と設計課の係長が爆弾の処理をすることになり、早速、橋の下に梯子を使って降りて行きました。
この頃の爆弾は強力でしたが、簡単に処理できるようにマニュアルができていました。
新たに開発された「衝撃吸収ボード」と呼ばれるもので周囲を囲み、勝手に爆発させるのです。

ボードの方は設計課の係長が淡々と設置作業を進め、僕がその上部の角を4か所のネジで止めていくことになりました。
「おーい、まだか?」と上から人事課長の声がしました。「もう少しです。」と僕は答えました。
後は、僕が角の4か所をネジで止めれば終了です。
「お昼ご飯には間に合うな!」と設計課の係長が言われたので、僕は「そうですね!」と答えていました。

一本のネジと溶岩…!

僕は、前方の右側を固定しようとして「あれ、何か足りない?」と感じました。
「ネジ」が一本足りないのです。固定するためには一か所につき4本必要なのに、袋には3本しか入っていません。
そのネジは特殊なネジであり、そのネジで確実に4か所を固定しなければ、爆発を封じ込めないのです。

「課長、ネジが1本足りません!」と僕が言うと、人事課長は梯子をあわてて降りてきました。
「川に落としたんじゃないのか?」と言われたので、僕は未開封の袋を見せながら「まだ、開けてません。3本しか入ってないですよね!」と答えていました。
3人で話し合いましたが、僕が会社にネジを取りに行くことになりました。
「早く帰って来いよ!」と人事課長が僕に言いました。設計課の係長も頷きながら「頼むぞ!」と続けて言いました。

なぜ、急がなければならないか?それは爆弾のためではありません。

ここの区域は、毎日午後3時頃から、川の下流の方から赤々とした溶岩のようなものが押し寄せて来るからなのです。
これも、戦争がもたらしたものの一つでした。
核ミサイルか何かが原因で、地球のコアの部分に影響を与えたためと言われていますが、難しいことは平凡な事務員に分かるはずもありません。
これも世界中で起こっていることでした。

僕は、すぐに会社に帰り「1本のネジ」を探し回りましたが、誰に聞いても「ない!」と答えます。
国から「爆弾処理マニュアル」と「処理装備一式」が送られてくるのですが、その「処理装備一式」には欠損品が多くて、余っている装備は自分のときのために隠しているので、人に渡すことなどあり得ません。

誰に聞いても、どこを探しても「1本のネジ」は見つかりませんでした。
頭を抱えながらも、冷静に考えてみました。「どこだったらあるのだろうか?」と…。

しばらくして「昔の倉庫だ!」と思いつき、急いでそこに向かいました。
会社と同じ敷地内にある倉庫ですが、ここしばらくは使われていない倉庫です。
鍵がかかっていましたが、足元の瓦礫で鍵を壊して、倉庫の中に入りました。
埃まみれになりながら、あちこち探し回って、一番奥の部屋でやっと「1本のネジ」を見つけ出しました。
あった「これだ!」とつぶやくと、急いで橋に戻りました。

橋の上で、人事課長と設計課の係長が欄干に持たれながら待っていました。
僕は、橋の下を覗くと、すでに溶岩のようなものは爆弾のすぐそばまで来ていました。

急いで梯子を降りようとする僕に、「やめろ!すぐにここから離れよう!」と人事課長は言いました。
「でも、爆弾を止めなければ、周囲の人たちの命はありません。」と僕は言い返していました。
「勝手にしろ!」と言いながら、人事課長と設計課の課長は、僕が乗ってきた車で会社に帰って行きました。

もう後戻りできません。爆弾が爆発すると周囲2~3㎞くらいは吹き飛びます。この辺りにも住んでいる人は多いはず。
「やるしかない!」と心を決めて、梯子を下りていきました。

溶岩のようなものは、もう目の前です。
僕は震える手で「4本のネジ」で前の左側を何とか固定しました。
溶岩のようなものは1mほどまで近づいていました。
急いで梯子を上り、「衝撃吸収ボード」で囲まれた爆弾を見ていました。
すぐに溶岩のようなものに囲まれて「ボン」という重低音がして、爆弾の処理ができたことを知らせてくれました。
そして、僕は歩いて会社に帰りました。

僕の評価…!

僕はただ普通にやるべきことをした…と思っていました。
しかし、会社に帰りつくとざわざわしていて、僕を見る目がおかしいのです。

「どうなっているのだろう?」と思い、会社内の友人に聞いてみると「人事課長の命令に違反した。」ということで、社内では大問題になっているとのこと。
現在、僕の処遇について、上層部で話し合っているとか。
僕が生きて帰ったことで、人事課長は焦ったのだと思いました。
自分は先に逃げ帰り、僕が生きて帰ってきたため「命令違反」として自分の正当性を主張しているのだろう…そう思いました。
その人事課長は、社長の派閥に所属しているので、派閥などに属していない僕をクビにするのは簡単なこと。

「それなら、それでもいいさ。」と意外にも自然にそう思いました。
「やることは、ちゃんとやった!だから、それでいいんだ!」…ってね!

実際の私とは大違いですが…!

私が見た夢はここまでです。
いつものように、文章にするための加筆をしていますが、登場人物やストーリーは変えていません。

私は、この夢に出てくる「僕」のような人間ではありません。
まったく違います。確実に違います。悔しいくらい違います。
私は、危険感知能力と逃げ足だけは早いので、すぐに逃げ出すのでしょうね。
いや、もしかすると、この夢のような世界が訪れたとするなら、私は真っ先に、犠牲者の数に含まれる類の人間なのだろうと思います。

私もこの夢に出てきた「僕」のようになりたいものです。
夢の続きが見られるのなら、この先「僕」がどうなったのか知りたいのですが、いまだかつて、「夢の続き」を見たことはないので、残念ながら知ることはできないのですが…。

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