「うつ病歴20年目」のオジサンの闘病日誌です!「うつ病」かなって思ったら…!「うつ病」になっちゃったら…!「うつオジサンの闘病日誌」を読んでみてください!何かのヒントになるかもよ!

「夢のお話」 第35話 ~敏腕探偵と黒い老婆と不思議な授業~

私は、眠れない夜を過ごし、明け方に眠りについた時に夢を見ます。
その夢の中には面白い物が多く、一人で味わうのが勿体ないと思っています。
そこで、このブログで紹介しています。

今回のタイトルは、「敏腕探偵と黒い老婆と不思議な授業」です。

私は探偵をしていますが、巷の評判では「敏腕探偵」ってことらしいです。

部下というか秘書というか、自分では「美人秘書」と言い張っていますが、その「美人秘書」と二人で探偵事務所を開いています。

その事務所へ不思議な依頼がありました。

ある会社社長の家に手紙が届き、そこには「来週から始まる特別授業で事件が起こります。」と書かれていたそうです。

その会社社長から「娘の特別授業が無事に終えられるようにして欲しい。」という内容の依頼でした。

世間体を考えてのことなのか「敏腕探偵」の噂を聞きつけてのことかは定かでは分かりませんが…。

「特別授業」というのは、良いとこの娘さん(高校生)たちに学力やら仕草やら化粧やら、とにかく良家の子女に相応しくするための授業一式です。

早速、下調べとして特別授業が行われる山の中の別荘に行きました。

大広間で特別授業が行われるらしく、既に教師用の机と4席が2列で計8つの机が並べられていました。

後方には、私と自称「美人秘書」用の椅子もちゃんと準備されていました。

2階が宿泊施設として使われるみたいです。

室内ばかりでなく、すべての部屋の細部と庭や庭にある大きな倉庫まで調べましたが、特に異常はないようでした。

それ以上のことは何もできなかったので、一度探偵事務所に戻ることにしました。

私と自称「美人秘書」が帰ろうとしていると、黒服を着た老婆と大男が門の外に立っていました。

「あんた探偵さんかね?あんた一人で子どもたちを守れると思っているのかい!」と不気味に笑っています。

「ほら、行くよ!」と側に立っている大男に向かっていうと、黒服の老婆よりもさらに不気味に笑いながら、森の中へと消えていきました。

その大男は、身長2ⅿ以上はあろうかという大男で、がっちりとした体つきをしていました。

ただ、言葉がうまく喋れないようでした。

自称「美人秘書」は、「私だっているんだから、一人じゃないってえの!」というと、タブレットを開きカチャカチャと調べたかと思うと「おの婆さん、すぐそばに住んでいる評判のへそ曲がり婆さんだって!」と言いました。

この自称「美人秘書」は、ちょっと高慢なところはありますが、仕事は早くて賢いのです。

事務所に戻り、別荘の所有者についてとか過去に別荘で事件はなかったかとか、また、別荘の構造や周辺の土地・建物の所有者についても詳しく調べました。

調べた限りでは、特に問題になるようなものは見当たりませんでした。

もちろん教師や3人のお手伝いさんの経歴や素行なども調べましたが、「特別授業」を毎年担当しているってことなので問題はないでしょう。

ただ、昨年改修工事をしたときの図面が見当たらなかったのが引っ掛かりました。

そのときには、「特に問題はないだろう!」と安易に考えていました。

さて、いよいよ、特別授業が始まる日がやってきました。

その別荘の玄関口には、次々と高級車が乗りつけて、後部座席から特別授業を受けると思われる女子高校生たちが降りてきました。

自称「美人秘書」が、「さすがにみんなお金持ちのご令嬢みたいね。」と言いましたが、私は「そんなこと見れば分るよ!」と答えました。

すると、自称「美人秘書」は、口を「イー」の字にしてから「そうよね!」と言いました。

特別授業の開始前のレクリエーションで、先生と生徒の8人、そして私と自称「美人秘書」がそれぞれ自己紹介をしました。

一人の女子生徒が、私と自称「美人秘書」に向けて「ぜんぜん、釣り合わね~!」と言って冷やかすと、他の生徒も同調して笑っていました。

自称「美人秘書」は、「どう!」って感じで腰に手を当てて首を少し傾けて私を見ました。この自称「美人秘書」がよくやるポーズです。

「静かに!」という教師の一言で、教室内は一瞬で静かになりました。

この女性教師は、なかなかの威厳というか雰囲気というかそんなものを持っている人物のようでした。

そして、特別授業は始まりました。

午前中の授業は何事もなく終わり、昼食の時間になりました。

食事は、すべてオーナーのお手伝いさんたちが作ってくれるみたいです。

さすがにお金持ちの「特別授業」の昼食はおいしかった。一人分で私の一か月分の食事代分くらいかかっていそうな昼食でした。

オーナーのお手伝いさんたちは、食事だけでなく、すべての部屋の掃除や買い物などの雑用もすべて任されているとのことでした。

食事が終わると、午後の授業までの小一時間はお昼休みです。

ご令嬢たちは、2,3人に分かれて雑談の開始です。

お金持ちのご令嬢とは言え、女の子が8人も集まるといやいやこれがなかなか騒がしい。

私は、どうも女の子の甲高い声が頭の中がワヤワヤしてくるので昔から苦手です。

そんなワヤワヤを我慢していると、女性教師の「午後の授業を始めます!」の一言で、女の子たちは、またどこかのご令嬢に戻って、自分の席に静かに戻っていきました。

しかし、7人しかいません。一席空いているのです。廊下側の後ろの生徒がいませんでした。

教師と女の子たちも気づいたみたいで、私は教師に「先生、7人の生徒さんとここにいてください。」と言うと、私と自称「美人秘書」が探しにいきました。

ちょうどそこに「キャ~!」と叫ぶお手伝いさんの一人の叫び声が聞こえました。

その声は、2階からのようでした。私と美人秘書は急いで2階へと向かいました。

階段を登る途中の窓から、森の入口立っている黒服の老婆と大男が見えました。

お手伝いさんの一人が叫び声を上げたのは、黒服の老婆と大男が窓から見えたかららしく、女子生徒がいなくなったこととは関係はないようでした。今回雇われた手伝いさんだそうです。

私と美人秘書は、2階を一回りしてみました。しかし、女子生徒はどこにも見当たりません。

再び大広間に戻ると、教師と7人の女子生徒は無言で私たちを待っていました。

「2階にはいませんでした。」と教師に言うと、その教師は携帯を手に大広間を出ていきました。

電話を終えた教師に「どこに電話を掛けたのですか?」と確認すると、私たちに依頼してきた会社社長だと言いました。そして、

「一応、警視庁から刑事さんが来ることになりました。授業はこのまま続けて欲しいそうです。」と言いました。

いなくなった女の子のご両親にはその会社社長から連絡してくれるとのこと。

私も女子生徒たちが自分の部屋で待つよりも、この大広間に集まって授業をしている方が安全だと感じたので、教師の言う通り授業を再開してもらうことにしました。

他の女子生徒たちもその方が安心だと思ったようです。

私は、自称「美人秘書」に授業の付き添いを頼んで、一人でいなくなった女子生徒を探すことにしました。

お金持ちの大きな別荘なので、探すのもどこから手を付けていいのか分かりません。

そうなると手当たり次第に探すのが一番だと思い、最上階の3階のさらに上にある屋根裏部屋から探し始めました。そして3階へと移り、2階、1階、そして地下室、ワインセラー、そのすべての部屋を探し終えました。

庭にある地下室を調べているとき車のエンジン音が止まるのが分かりました。

地下室を調べ終えて、梯子式の階段を上っていると、入口から声がしました。

待っていたのは、警視庁から来た仮屋警部と吉永警部補でした。

仮屋警部が、「君たちのことは聞いています。僕らの捜査に協力してくれないか。」と言いながら、僕の手を取って地上に引き上げてくれました。

吉永警部も、「よろしく。」というと握手してきました。

仮屋警部が「よろしくはおかしいだろ!」と笑いながら言いましたが、本気でそう思ってはいないみたいです。

「警視庁からの応援は僕ら2人だけです。君たちと仲良くしなければ事件は解決できないかもしれないね。ところで、自称美人秘書さんはどちらかな?」と聞かれたので、授業の付き添いをしていることを告げると、2人の刑事さんは授業が行われている大広間へ向かいました。

仮屋警部は大広間のドアをノックして、一礼して大広間へ入りました。吉永警部補と私も仮屋警部の後に続きました。

「警視庁の仮屋と吉永です。皆さんには少し窮屈な思いをさせてしまうかもしれませんが、できるだけ目立たないようにしますからご容赦ください。」と仮屋警部が言うと、「刑事さんだって。初めて見た。」、「意外と普通だね。」などなど女子生徒たちは興味津々。

教師が再び「静かに!」と言うと、女子生徒たちのおしゃべりはピタッと止まりました。

2人の刑事さんは、教師に引き続き授業をお願いして、捜査本部ならぬ本部代わりの部屋と宿泊する部屋の確保をお手伝いさんにお願いしていました。

私と自称「美人秘書」も加わって、4人の捜査と警備の本部ができました。

休憩時間になり、教師は「トイレ以外には行かないように。行くときにも絶対に1人では行かないでください。」と刑事さんたちが言おうとしていたことを先に言ってしまいました。

刑事さんたちは、改めて教師と自称美人秘書に挨拶してから、女子生徒たちの動向に目を配っていました。

私は、どうして刑事さんたちがこれからも授業を行わせるのか疑問に思ったので、尋ねてみました。

すると、吉永警部補が、

「いや~、いなくなったのは警察庁のお偉いさんのお嬢さんなんです。その他のお嬢さん方の親御さんとも相談されて、このまま授業を続けて欲しいってなったそうです。人の目が気になられたんじゃないですか?」と言うと、

仮屋警部が、「余計なことまで話すな。」と吉永警部補と叱ってから、

「探偵さん、美人秘書さん、そういうことなんで、ご協力をお願いします。何しろ4人きりの捜査本部ですから。」と私たちに言いました。

「刑事さんってもっとお堅いのかと思ってましたわ!」と美人秘書が言ってから、私の方を見ましたが、私もそう感じていました。

「実のところ、なぜ私ら二人だけが捜査に送られたのか、おかしく思っているんです。」、続けて、

「何か裏がありそうなんですけど、実はあなた方探偵さんの方が色々動けるんじゃないかと思ってるんです。ですからご協力を頼みたいんです。」と仮屋警部が本音を話してくれました。

この別荘に来るまでに、教師や女子生徒たち、それから私たち探偵、お手伝いさんの情報に目を通してきたらしく、女子生徒たちの座席表まで持っていました。

「さすがは警視庁!」と思いましたが、私たち探偵にしてみたら、刑事さんたちに事件を解決されてしまうと報酬やら何やら少し困ったことになるのですが、まずはいなくなった女子生徒の捜索・救助が先決だと思い、刑事さんたちに全面的に協力しようと思いました。

美人秘書も声には出さなくても「OK!」だって雰囲気を醸し出しています。

しばらくして教師の「始めますよ!」の一言で、女子生徒たちは席につきました。

女子生徒たちが席につきましたが、今度は窓側の後ろの生徒がいません。

美人秘書にトイレを探しに行かせましたが、いなかったようです。

すると、教師はまた携帯にすると教室を出て電話をかけています。

仮屋警部と吉永警部補は、女子生徒を探しに教室を飛び出していきました。

2人の刑事さんと私たち二人で屋敷中を探しましたが、一人目と同じように、どこにも見当たりません。

私はあることを考えていました。

この屋敷から外に出てどこかに行くことは難しい。近くにはあの黒服の老婆と大男の家しかありません。

車でなければ連れ出すことは不可能。しかし、車がきた様子はありません。車の音は2人の刑事さんが来たときにしか聞いてはいない。

お手伝いさんたちは、まだ買い物にも出かけいない。

あの黒服の老婆と大男も怪しいけれど、きっと事件には無関係だろう。

そうなると、いなくなった2人はまだこの屋敷の中?

ふと、私はあることを思い出していました。

昨年の改修工事です。工事の図面が見当たらなかった改修工事です。

改修工事が行われたのは書斎付近だったとベテランのお手伝いさんに聞いて、私と美人秘書は書斎に向かいました。

書斎といっても、普通の平屋の一軒分くらいの広さがあるものでした。

「これのどこを工事したんだろう?」という私の独り言に対して、美人秘書が、

「ねえ、このテーブルおかしくない?」と返答してきました。

私は「これのどこが?」って言おうとして止めました。

そのテーブルは、この別荘、この書斎には似つかわしくないちゃちい作りをしていて、動かしてみると簡単に動きました。

そしてその下の絨毯をめくると、その下には四角いドアがありました。

やはり工事がしてあったんだ!

私は、仮屋警部と吉永警部補に連絡して、3人でその四角いドアのその先へ進んでいくことにしました。

私が見た夢は、残念ながらここまでです。

いつものように、夢の映像を文章化するための加筆はしてありますが、ストーリーは変えていません。

冒頭で書いたように、非常に面白そうなタイトルの割に内容がもう一つかな。

それは、「黒服の老婆と大男」の出番が少なかったからだと思います。

本来なら、ここから面白い「夢のお話」になっていくところなのですが…。

文句を言っても、ここで目が覚めちゃったんですから仕方がありませんよね。

ただ、私の夢を司る脳の部分のキャスティング能力は、いつもながら大したものです。

私以外は、すべて俳優の方々です。それもかなりの大物の俳優揃いでした。

見られるものなら、是非、この「夢の続き」が見たいものです。

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